2019/10/15
【サニタリー規格】
Sanitary standard
国際的な食品機械装置のサニタリー規格で、欧州のEuropean Hygienic Equipment Design Group (略称:EHEDG) や米国の3A Sanitary Standards があり、そのほかISOやDIN(Deutsche Industrie Normen :ドイツ規格協会)、IDF(International Dairy Federation :国際酪農連盟)の規格がある。
日本では、基準・規格の整備が遅れていて未確定な状況にあり、海外規格を推奨して規格は海外規格に準拠している。
飲料業界では、EHEDGにおける衛生的設計基準のガイドラインと、国内飲料製造設備は、「食料品加工機械の安全および衛生に関する設計基準通則(JIS B9650-2)」の要求を満たすことが求められている。
これには、機械・機器を設計する際の「安全と衛生」に対して最も適切なものを両方満たすことが要求されている。安全、衛生のどちらか一方ではいけないことになる。
JISにおけるサニタリー性の要求
- 製品に対して安全性がある
- 洗浄・殺菌性が良い
- 分解が容易
- 点検が容易
- CIP洗浄が確実にできる
- 微生物が侵入しない
- 微生物が増殖しない
安全な製品を製造するためには、よりサニタリー性の高い機器・装置の採用が効果的である。
採用される高サニタリー化のポイントは機器の内部から異物や汚染を発生しない設計とすることである。
私が提唱する「高サニタリー化技術」は、「EHADGとJISの考えを融合し、衛生面・安全面をさらに高度化して食料品で主に飲料設備に担保するサニタリー性の技術」と位置付ける考えである。
【包装機械の衛生設計】
sanitation design of container machine
食品包装機械は、包装機械全体の需要の約5割弱を占め、充填部分で直接食品に接するため衛生に対する十分な注意が必要とされる。
(社)日本包装機械工業会は1999(平成11)年、食品などを包装する包装機械関連の衛生性の向上と品質の確保を図るために「包装・荷造機械の衛生基準」を定め、検査システムを構築がされた。
これは、食品衛生法、HACCP手法支援法、GMPに対する包装機械類の規格基準である。
検査適合機械には「包装・荷造機械の衛生検査合格証(PASSマーク)」シールを機械に表示し衛生と安全性の両方について高められた機械であることの証を得る必要がある。
主な基準として「平滑で滞留しない構造」「洗浄・殺菌・消毒できる構造」「防塵・防水配慮構造」などが定められている。
【包装機械の衛生設計基準】
■ 食品などの包装・荷造機械の衛生基準 |
⒈ 洗浄、殺菌、消毒できる材質と構造 |
⒉ 食品に接する部分は平滑仕上げで、突起や滞留のない構想 |
⒊ 防塵、防水の配慮設計・構造 |
⒋ 据え付けは、機械底部と床面を密閉し、粉塵、汚染が溜まらない構造 |
⒌ 機械の構造部位に対し、塵埃の発生や潤滑油の汚染がない構造 |
■ 衛生的な包装機械の設計基準 |
⒈ 毒性がなく、食品、洗浄剤、殺菌剤が非吸収性で耐久性 |
⒉ 表面は排水、排液のための勾配をつける |
⒊ 炭素繊維、高分子弾性材の使用時には食品が非浸透 |
⒋ 金属同士のジョイントは使用不可 |
⒌ 装置と配管接合に芯ずれがなく、裂け目の破壊個所にシールガスケットを使用しない |
⒍ Oリングは使用不可で、ねじ類を使用しない |
⒎ 小さな曲率コーナーを設けない |
⒏ 洗浄、洗浄、殺菌、消毒作業に支障のあるデッドスペースを設けず、洗浄、無菌性を維持しやすい |