◇ 「JAPAN PACK 2019」 視察_2019.10.31

会場:幕張メッセ国際展示場、主催:日本包装機械工業会
開催期間:10月29日~11月01日の4日間
テーマ:「きっとみつかる、あなたの包程式(ほうていしき)」

◇ 「JAPAN PACK 2019」 視察_2019.10.31

 456社の企業が集結し、会場内での展示内容を見ると、人手不足に対応する自動化やライン化を図ったものをはじめ、少子高齢化社会に対応するユニバーサルデザインや操作の容易化、コスト削減のための小型化や省スペース化、省エネ・省資源・脱プラ化、食品の安全・安心の追求など、多種多様なユーザー課題あり、それらに対応すべく多くの製品や技術の展示がされていた。

 包装機械の出展各社は最新技術や新製品でユーザー課題に対して独自のコンセプト、技術的なアプローチを図っていた。
また近年地球規模の新たな課題となっている「海洋プラスチックごみ問題」への取り組みなどが取り上げられ新たなテーマとして注目されていた。

その中で今回注目した「ライン展示」について紹介します。

【ライン展示コーナー】
 「食品製造ラインのすべてを見せます」をテーマに、一例として「どら焼き製造ライン」を会場内に設置して展示紹介していた。

 計量からスタートし、全自動どら焼き機による「どら焼き作り」、検査、ピロー包装機による個包装、印字、製函、上包み、パレット積み、梱包、そして人協調ロボットによるどら焼き渡しと、製造の上流工程から実際に人の手に渡るまでの流れを実機とパネル展示で紹介していた。

◇ 「JAPAN PACK 2019」 視察_2019.10.31

図⒈製造ライン機器配置マップ

個々の機器、装置がどのように使われているか非常にわかりやすい展示(図⒈配置)がされていた。

 製造ライン構成と工程フローを以下の表⒈にまとめる。

表⒈どら焼き製造ライン工程

工程フロー 機器 出展企業
1 ふるい・計量 ディバイダースケール ツカサ工業(株)
2 混合・生地供給 プレッシャー
ケーキミキサー
(株)フジサワ・マルゼン
3 焼成・中味充填・合わせ 全自動どら焼き機 (株)マスダックマシナリー
4 外観検査 上下側面品質評価装置 (株)ニレコ
5 X線/金属/重量検査 X線検査装置
金検付オートチェッカー
アンリツインフィビス(株)
6 脱酸素材投入 脱酸素材投入装置 (株)三橋製作所
7 個包装 ビロー包装機 大森機械工業(株)
8 印字・印字検査 サーマルプリンター
印字検査装置
イーディーエム(株)
9 逆金属検知 金属検出器 (株)イシダ
10 リークテスト リークテスター 高千穂精機(株)
11 製函 製函機 (株)メタルクリエイション
12 上包み 上包機 (株)東京自動機械製作所
13 X線検査 X線検査装置 (株)イシダ
14 印字 ダンボール用インクジェットプリンタ イーディーエム(株)
15 印字検査 印字検査装置 マキー・エンジニアリング(株)
16 重量測定 重量チェッカー 大和製衡(株)
17 パレット積み パレタイザー (株)前川製作所
18 パレット包装 ストレッチ包装機 ストラパック(株)
19 どら焼き渡し 人協調ロボット オムロン(株)

上述のような一貫ラインが17の企業が出品した機械・装置類で構成されていた。

 併設してIoTのパネル展示があり、製造ライン展示とリンクさせて、包装関連業界での活用方法の提案「包装産業の課題を解決に導くIoT提案」と題してパネル紹介がされていた。

1. 業界課題

◇ 「JAPAN PACK 2019」 視察_2019.10.31

食品製造・包装ラインの課題例

① 人員が確保できない
② 包装工程に人がかかる
③ チョコ亭が頻繁に起きる
④ 食の安全・安心を担保するのが難しい
⑤ 総合解決の未来予想
などが挙がっていた。

2. 生産管理モニタ
3. リモートメンテナンス
4. ドライブレコーダ
5.マルチビュー
6. 作業支援
(2~6は省略)

7. RFID

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RFIDにおける将来と今後の課題

包装荷造工程分野からの技術的サポートが必須となること
近未来のサプライチェーン構築が課題解決の取り組みになること
が紹介されていた。

8. 近未来

◇ 「JAPAN PACK 2019」 視察_2019.10.31

近未来の食品製造・包装ライン

① 工場の無人化
② 企業連携
がキーワードになりそうである。

 食品製造ラインに用いる個々の機器・装置が性能、処理能力に優れベストであってもラインに組み入れた場合ベストになるとは限らない点に注意が必要である。
前後の機器の性能、処理能力がラインスピードにマッチして、各工程が滞留することなく一気通貫で整然と製品が流れる「ラインベスト」でなければならない。
食品製造工場では、人材不足など解決が必要な課題や問題点が未だに高い壁となって存在している。さらなる近未来型ライン構築を期待したい。

 最後に、今回のライン展示コーナーは食品製造工場の「どら焼き作り」ラインが一例として取り上げられ、工程ごとに機器・装置が配置されていて非常にわかりやすい展示であった。
次回はどんな製造ラインの紹介をしてくれるか楽しみである。
(展示会コーナー紹介写真は、会場にて撮影、引用・転載)

以上