『苦渋の決断が続くスポーツ界。今こそ力を蓄えるとき』

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、国内外のスポーツ界に影響が広がっている。衝撃的なニュースが流れた。国内では19日に開幕する予定だった選抜高校野球大会が史上初の中止に決まった。主催する日本高校野球連盟は当初通常開催としていた。2月当初の話であるが、その後、政府によるイベントの自粛や学校などの臨時休校が始まり、スポーツ界の流れが一気に変わってしまった。選抜高校野球大会も無観客での実施に向けて準備が進められていたが中止となってしまった。春を告げるイベントの一つであるが、現在の状況を鑑みると決断自体はやむなしであろう。

2大プロスポーツであるプロ野球とサッカーJリーグは、双方連携して議論を重ねた結果公式戦の延期、プロ野球もオープン戦を史上初の無観客、大相撲も無観客での開催と決めた。今も終息の兆しが見られず、スポーツ界は今後の見直し再検討を余儀なくされることになりそうである。海外に目を向けてみると、米国ではプロスポーツの最高峰のバスケットボールや野球の大リーグもオープン戦が中止となり新型コロナウイルスの影響がスポーツ界を窮地に立たせている。国内で最も懸念されるのが2020東京オリンピック・パラリンピックの開催である。国内外において各地で大会に参加するための予選大会が予定されていたが、軒並み延期、中止、開催都市変更などが続いている。

12日ギリシャの古代オリンピック発祥の地で聖火の採火式が行われ聖火リレーがスタート、しかしながら2日目には感染拡大が懸念されることからリレーも中止となってしまつた。東京オリンピック・パラリンピックの開催の可否の検討を余儀なくされそうである。
WHO世界保健機関がパンデミック(世界的大流行)を宣言したことから、海外の感染が終息に向かわない限り最悪の事態も想定しなければならない情勢になってきた。
「苦渋の決断」を迫られることになったとき、大会の中止ではなく延期となるように政府、東京都には努力していただきたい。

最終的な判断は、WHOの判断を受けたIOCオリンピック委員会が判断を下すことになるが、延期されてもスポーツの感動が国内外の多くの人々に元気を届けてくれるだろう。
そのためにも新型コロナウイルスの感染の増加を抑制できる見通しが早く立ってほしい。
ワクチンの迅速な開発が進み、供給されることを待つしかないが、苦境に立っているスポーツ界も今こそ力を蓄えて備えるときと考える。

以上