2020/03/30
ヒト、モノ、サービス、情報がグローバルに駆け巡る中で、新型コロナウイルス感染が世界のネットワークを寸断し、国境管理されることとなった。
いわゆる鎖国状態である。
日本も対策として中国、韓国、欧州諸国、米国などからの入国を制限、拒否している。
中国から始まりそれ以外の地域での感染拡大の本格化が2月末以降だったことを考えると7月までに世界的大流行が抑え込まれるとは考え難い。この状況下では、東京オリンピック・パラリンピックの開催延期もやむなしであろう。
治療薬やワクチンが存在しない現状では感染の予防が重要になる。それは言い換えると手洗いであり、せきエチケット、周囲の消毒によって清潔さを保ち、個人間の接触を減らすために一定の距離を十分にとることや旅行や移動を極力避けるしかない。
現実的には、気の緩みがウイルス感染を広める結果になりかねない。感染の繰り返しが起きれば、本当に1年後、7月から東京でオリンピックが開催できるのか心配になる。だからこそ封じ込めに失敗しないように今は我慢のとき、再延期はない。次は中止となるだろう。
今後、感染は中国から欧州、米国に広がりを見せ、さらに南米やアフリカへと感染が拡大するだろう。そうなったとき国際的な連携意識も自国のことで精一杯となり、連携の意識も薄れてしまうのではないかと危惧する。
このままだと社会を分断するだけで長期的には効果の薄い国境閉鎖の強化と継続に各国が突き進む。経済的な影響も大きくなることから、新たな国家間の対立も生まれてくると考えられる。たとえ日本が新型コロナウイルスの感染が終息したとしても、日本へ訪れることへの恐怖心がなくなるとは限らない。東日本大震災のときは訪日外国人の旅行者数が元に戻るまでに1年以上かかったのは今でも記憶に残っている。
完全な感染の封じ込めは難しいからこそ、オリンピックの「五大陸の団結」という理念に立ち返り各国が協力し、この難局を乗り越えた後、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、ウイルスに勝利した証の聖火がともされることを望む。
以上