『緊急事態宣言解除、冬に向けて第二波、第三波の備えを怠るな!』

新型コロナウイルスの感染拡大を受け自粛が続いていた首都圏一都三県の緊急事態宣言が5月25日解除されることが政府から発表された。自粛がこれで終わるわけではないし、生活様式は以前と同様になることはない。これからの夏の季節は高温多湿、紫外線が強いことからウイルスの活動はいったん鈍ることだろう。しかし、これから冬を迎える南半球では感染拡大が懸念される。

ブラジルだけでなく、チリ、ペルー、南アフリカもこの5月中旬の10日間で感染者数が倍増している。感染拡大が北半球で起こっていたのと同様に南半球は冬に向かうこれからが新型コロナウイルスが猛威を振るう本番といえよう。季節性インフルエンザと同様の動きを示唆すると考えられる。

過去の季節性インフルエンザを新型コロナウイルスと重ねてみると、第二波、第三波はほぼ11月初旬には感染が現れると思われる。そうなると実際の感染は10月の下旬と考えなければいけない。そして実際の感染ピークは12月中頃から2月の下旬までがピークになると想定できる。季節性インフルエンザはワクチンの接種により重症化は抑え込めるが、現在の新型コロナウイルスには有効なワクチンが開発されていない。海外ワクチンではなく、自国でのワクチン開発を研究機関総動員で急ぐべきである。

この季節性を新型コロナウイルスにあてはめるなら、予防の観点から感染者がない状況であっても10月の中頃から自粛や三密への警戒を事前にスタートすべきという考えも成り立つ。またその先の最大の課題は年末年始の休暇中の帰省や移動、年末年始あるいは年初の宴会は自粛が必要となる。これもまた影響が大きい。これを5月の連休中と同様に一気に自粛する必要があるのか、11月末頃の初期感染状況が現れたら素早く判断する必要があるのではないか。

ワクチン開発は間に合わないなら、兆候が見え始めたときに迅速な対応が取れるように、準備を怠らないことである。
マスク、防護服、消毒液などの医療物資の備蓄や医療施設、人口呼吸器の増強やPCRなどの検査システムの準備をして備えなければいけない。新型コロナウイルスとの戦いはまだ終わってはいない。緊急事態宣言の間に得た経験、教訓を第二波、第三波に活かさなければならない。気の緩みは禁物である。