「COP25 脱炭素示せず」

昨年末に大きく取り上げられていた問題である。今後日本のエネルギー問題であり、分野の垣根を越えて改革として取り組まなければならない。

世界では温暖化への危機感から脱石炭の流れが強まるが、日本は二酸化炭素を多く排出する石炭火力発電を推進。そんな日本への国際社会の批判はやまない。
温暖化防止のためのパリ協定が来年から本格的始動するのを前に、国連気候変動枠組み条約第25回締結国会議(COP25)がスペインで開催され日本は脱炭素を国際的に示せないまま閉幕となった。

今一度、世界に目を向けてみると米国やオーストラリアの山火事、イタリア・ベネチアを襲った高潮など、温暖化との関連が指摘される異常気象が世界中で猛威を振るう。
パリ協定の掲げる目標達成のため、世界は脱炭素、とりわけ石炭火力発電の廃絶に転換してきている。

では日本はというと、先進国で唯一、石炭火力発電所を新設し続けている国となり、COP25が行われている中、不名誉な“化石賞”を現地で2回も受けることとなった。
国際的な潮流に逆行する政策を国が推し進めているためである。
COP25を契機に電源構成を大胆に見直し、計画の再改定を急ぐ必要がある。

現在の日本の電力の約30%が石炭に由来している。さらに驚くことに試運転中を含め15基以上の石炭火力を新設する予定にもなっている。
多くの国が期限を定めて石炭火力の廃絶を揚げている中、日本が向かう先は不透明である。
温室効果ガス排出抑制をあくまで原発の再稼働に頼ろうとしていて、それまでは石炭でしのぎたいという思惑が透けて見える。

再生可能エネルギーのコストが大幅に下がり、効果的な運用で大量導入が可能ともいわれているが政府の取り組みが鈍い。
COP25では温室効果ガス削減目標を引き上げるように先進国への圧力が強くなっている。
今の日本の姿は本当に「環境先進国」といえるのだろうか。
化石燃料を使わない、原子力に頼らない技術革新を望みつつ、今後の政策について注視していきたい。

以上