2020/03/11
マスク業界では、政府の肝いりもあり増産をしているはずであるが、未だに店頭には十分な量が出回っていない。食品工場関係者や医薬品工場関係者の方々も手持ち在庫がなくなってきていて入手に苦慮している話を聞くことが多くなった。
今まで気にもしていなかったが、ほとんどのマスクメーカーが中国で生産をしていることである。かつて尖閣諸島の問題でレアメタルが入手できないことからハイテク製品の生産に支障をきたした件があった。中国に限ってではないが国内から海外へ生産拠点を移す場合、“中国プラスワン”の考えを忘れてはいけない。そうしたリスクヘッジを取っているかと思っていたが、今回の新型コロナウイルスの問題でマスク業界だけでなく、自動車、電機もサプライチェーンが機能しない状況となったことで主要部品が調達できず、生産工場を停止するなど大きな問題となっている。今後周辺国への新型コロナウイルスの感染が広がれば海外からの調達も難しい。
ならば国内に目を向けてみよう。マスク業界以外で生産ができる業界はないか。
マスクを生産するために必要な製造機械、マスクの材料、衛生管理が整うなどの条件が揃うメーカーはないか考えてみた。
製造機械はマスクを縫製できること、量産ラインが構築できること、マスクの材料はガーゼや布で無塵のものであること、衛生管理では、繊維が塵を作業環境に発生させない水準のクリーンルームを持っているクラス100~1000であれば医薬向けマスクがつくれる。
食品の充填工程や包装工程ならクラス100,000レベルでよい。包装時に紫外線消毒、真空包装できればなおさらよい。医薬向けにつくれるのであれば、どの業界でも使えるがこれらの条件に合う業界を考えると半導体や液晶パネルなどをつくるメーカーか部品メーカー、医薬業界向けに無塵衣などを収めているメーカーなどは企業間で連携すればマスクを増産できるのではないか。
例えば、無塵衣を供給しているメーカーは型紙や裁断機を使い各体型に合わせて生地を裁断する。そのため裁断時に必ず余分な裁断端材が発生するはず。余った生地を利用してマスクにすることなどが増産につながるのではないか。
今後、食品工場や医薬品製造ライン従事者にとって必需品のマスクは絶対に確保しておかなければならない。
マスク業界だけでなく、他の業界も含めて連携を模索する必要を感じる。われわれ一般人にも早く手に入れられるように今後の連携に期待したい。
以上