『巣ごもり生活の中、朝ドラで想うこと』

2020年度前期のNHK連続テレビ小説は、生涯でおおよそ5千曲を作った昭和の作曲家 古関裕而 ( こせきゆうじ ) と妻 金子 ( きんこ ) がモデルの「エール」である。
第2次世界大戦の激戦の時代を生き抜きながら、歌で日本人の心に寄り添おうとし続けた古関氏である。私にとっての古関氏の代表曲は夏の高校野球の大会歌「栄冠は君に輝く」とNHKのスポーツ放送の冒頭にいつも流れていた「スポーツ・ショー行進曲」である。
子どもの頃からスポーツ番組を好んで観ていたころが懐かしく思い出される。

2020年度の前期にこの朝ドラ「エール」が選ばれたのは、新型コロナウイルスの感染拡大という想定外の感染症により延期となってしまった2度目の東京オリンピック・パラリンピックに合わせてということが分かろう。
代表曲の一つ、1964年の東京オリンピック開会式で高らかに流れた「オリンピック・マーチ」である。しかし、私も当時の記録映画やテレビで見た入場行進の映像の中でしか聞いたことがなかった。記憶が定かではないが、小学校の運動会で使われていたかもしれない。時代を超えたスタンダードナンバーだと思う。今聞いても心が高鳴る。

その他にも数多くの代表曲があるが、阪神タイガースの球団歌「六甲おろし」、早稲田大学応援歌「紺碧の空」などプロ野球や大学野球の試合で聴いていた曲ばかりである。
スポーツに関連した代表曲に触れたが、これはほんの一部であり、戦時下では軍歌を作曲し、戦後はラジオドラマなどの主題歌、社歌や校歌、ミュージカルの曲など大衆音楽で昭和の人々を歌で励ましていたと聞く。昭和、平成、令和それぞれの時代の中で古関氏の音楽は溶け込み、今後もスタンダードナンバーであり続けることであろう。

ドラマのなかでは、新型コロナウイルスの影響により、大正から昭和の大作曲家である山田耕作がモデルの小山田耕三役を演じていた志村けんさんが亡くなられたのは大変ショックを受けました。放送の中で撮影当時の姿が拝見できましたが大変残念です。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため撮影もストップしてしまっていると聞いている。そのため放送も6月の中旬で、いったん休止となるようである。

巣ごもり生活の中、午前8時、規則正しい時間を過ごすためにも今は朝ドラが欠かせない。
朝ドラの放送が早く再開できることを祈願しながら「エール」を送る。