2019/12/10
会場:幕張メッセ(千葉市)、主催:リード エグジビジョン ジャパン
開催期間:11月27日~29日の3日間
「ドリンク ジャパン」250社が出展し、「飲料・液状食品 開発・製造展」で、原料・素材・香料、研究機器、製造・充填設備などの紹介がされていた。
目的:飲料製造分野における生産ラインの自動化などの取り組みについて情報収集のため視察
飲料・液状食品の製造ライン設備構築に必要な要素機械について注目した情報を紹介する。
1. 日本ハワード株式会社 http://www.nippon-howard.com/
~自給式ポンプ、固形物入り液体対応ポンプ、オールステンレスサニタリポンプ~
自給式ポンプは、3Dオープンインペラ+インデューサを組み合わせた羽根を採用し、優れたポンプ効率と吸込性能をアピールするためデモ機を使ってエアがみ状態での実演をしていた。(左図カタログ)
固形物入り液体対応ポンプも固形物を破損することなく移送可能なサニタリースクリューインペラポンプとしてデモ機で実演していた。(右図カタログ)
オールステンレスサニタリポンプの展示は、防水性能をアピールするためポンプ上部から散水しながらの運転を実演していた。 3Dオープンインペラを採用し、ポンプ効率と吸込性能の向上を実現させたSB型ポンプにオールステンレスモーターを搭載、接液部は、外装部も丸ごと洗浄可能としたサニタリー性を極めたポンプ
2. 株式会社悠心 http://www.dangan-v.com/
~容量可変液体充填包装機、ヒートシール画像処理装置~
液体充填包装機Universal Type Ⅲは、固形物を多く含んだ液体でも固形物の噛み込みが僅かで、シール部の不良を検知する検査装置FSSと合わせて、新世代の漏れない充填環境をアピールした充填包装機が紹介されていた。
ヒートシール部の不良を画像処理装置で検知し、不良品を特定し良品を確定することができる検査システム。
検査業務の人件費を軽減でき、次世代の充填業務を構築することができると紹介していた。
3. トーステ株式会社 https://www.toste.co.jp/
~二重シートダイヤフラムバルブ、シェル&チューブ熱交換器~
二重シールダイヤフラムバルブは、従来の二重シールシーケンスバルブの利点の系内汚染防止(洗浄液⇄製品)に加え、無菌ライン構築の為に重要な系外からの汚染防止に対して最適なバルブであることをアピールしていた。
シェル&チューブ熱交換器は、二重管板式とすることでクロスコンタミネーションリスクを抑えた熱交換器や、スーパーステンレスを使用した高耐食熱交換器など豊富なラインナップから最適なシェル&チューブ熱交換器を選定できることを紹介していた。
4. 株式会社イズミフードマシナリ http://www.izumifood.shi.co.jp/
~多機能抽出装置、連続抽出装置のシステム~
多機能抽出装置であるバッチ抽出には浸漬、半浸漬、ドリップ、加圧抽出と多様な方式が存在し、この多機能抽出器はあらゆる抽出方式が可能 本装置は、この多機能抽出器を基に原料供給からカス排出まで、付帯機器を含んでパッケ-ジ化した構成を紹介していた。
連続抽出装置は未加工原料を、液中磨砕しながら抽出を行う装置。高機能の破砕機を使用し、その微粒化作用により常温に於いても高い抽出効率が得られる。多くの抽出方式は乾式粉砕した原料を用い、抽出以前にフレ-バ-の逸散や酸化の問題が生じる。その解決策としての本装置は、フレ-バ-を逃がさず自然な風味の品質で抽出が可能 などシステム化提案がされていた。
5. 立花機工株式会社 http://www.tachibanakikou.co.jp/
~フレキシブル充填打栓機、回転殺菌装置~
フレキシブル充填打栓機は、直線ライン上で充填・打栓する、省スペース多品種対応機種を展示(左図)。
回転殺菌装置は、ビンが360度回転し完璧な殺菌が可能。特許取得済み殺菌装置である(右図)。両機種とも省スペース、コストパフォーマンスをアピールしていた。
6. 株式会社徳永製作所 http://www.tkng.jp/
~ボトル供給ロボット~
BFRシリーズボトル供給ロボット (左図カタログ)
汎用性に優れたボトル供給装置である。
特長
- 様々な形状、色に対応
- ロータリーフィーダー搭載
- 短時間でのボトル品種切替が可能(5分以内)
- 透明容器も使用可能
サニタリー仕様のロータリーフィーダー(右図カタログ)と組み合わせた食品対応ラインの構築も可能である。
【掲載写真、図 出典先】各メーカーH.P、メーカーカタログより転載
所見:
飲料、液体食品の製造ラインは、ほぼバッチ生産のため自動化ラインを構成する要素機械の新商品展示は少ない。搬送や運搬といったマテハンでの自動化は比較的に進んでいるが、多品種製造対応のフレキシブルなスマート化には課題が多いからだと推察する。
以上