2019/12/01
【工場建設】
Plant design
~食品工場建設に関わる法律・条令など手続きや留意すべきポイント~
計画から着工までの流れ
法律や各自治体の条令などの調査、建築物の構造決定
主に下記の法律や条令の確認が必要である。
1.工場立地法 (特定工場の届出)
工場立地法では、敷地面積9000㎡以上、または建築面積3000㎡以上の工場について、製造施設や環境施設(緑地等)の規模を規制している。
【ワンポイント!】
緑地を設けると、落ち葉や虫の課題も発生するので、植樹する樹木の種類の選定や出入りする人・物との交差を避けたレイアウトとするなどの配慮が必要でる。
2.都市計画法 (開発行為)
都市計画法の開発行為とは、土地の区画形質の変更(例えば山を切り崩したり、田畑などの宅地以外の土地を宅地にすること等)のことを言う。
【ワンポイント!】
この法律に該当すると事前協議に4~6ヶ月を要する事があるので注意が必要である。
3.自治体条令 (建設地の自治体ごとに「開発行為に関する指導要綱」がある)
自治体では、上述の都市計画法も含まれますし、区画形質の変更がなくても新築、改築、増築、用途変更を伴う工事には指導が入る。
【ワンポイント!】
自治体により異なるので確認が必要である。
4.事前相談、近隣説明会、事前協議
工場建築の確認申請を行う前には、建築基準法以外の各種法令適合や近隣紛争予防を目的とした事前協議が必要である。
自治体により協議種類や期間が異なり、充分に事前相談を行う事を勧める。
特に、近隣説明を要する計画の場合、予想以上の協議期間が必要となる事がある。(市町村では、事前協議期間が非常に長く且つ受付日や協議日が月に2回だけであり、余裕をもった申請工程と充分な事前相談を行う事により、手戻りなく円滑に協議が進めることが重要)
【ワンポイント!】
一般的に事前相談は約1ヶ月を、近隣説明には約2週間を、 事前協議には約1ヶ月を要する。
5.近隣説明の重要性
近隣説明会は敷地の境界線から建物高さの2倍の距離の範囲に属する土地全てを対象としている自治体がほとんどである。
仮に1軒でも同意が得られない場合事前協議に入ることができません。短工期での計画を考える場合は最も慎重に対応しなければならない。
6.確認申請
着工前に、その計画が建築基準法に適合するかどうか、申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けるものである。
その際には、危険物、換気、排煙、非常用照明、浄化槽、給排水、避雷設備はもちろん所轄消防の同意書も必要になる。この申請の承認を得るには提出から1ヶ月以上かかる場合があるので要確認が必要である。
【ワンポイント!】
変更の場合は、さらに同じ期間を要するので注意が必要であることに注意する。
以上